食品衛生法の改正により、日本の漬物販売業界に大きな変化が訪れます。これまで自宅や地域の道の駅で手作りの漬物を販売してきた生産者たちは、新たな営業許可制度により厳しい規制を受けることになります。これは、衛生的な製造施設を持つことが求められ、一部の生産者や小規模な販売店にとっては事業継続が困難になる可能性があります。
食品衛生法の改正
食品衛生法の改正により、漬物の製造・販売が営業許可制度の対象となります。これにより、漬物を販売するすべての生産者は、衛生基準を満たすための施設や手続きを整える必要があります。
どうすれば営業許可が受けれる？
下記の用意が必要のようです。
- 申請書類: 営業許可の申請書類を用意し、必要事項を正確に記入します。通常、申請書には事業者の氏名や住所、製造施設の所在地や設備、製造方法、衛生管理体制などの情報が含まれます。
- 製造施設の整備: 衛生管理に配慮した清潔な作業環境の製造施設を整備します。
- 衛生管理体制の確立: 漬物の製造過程での衛生管理体制を確立します。これには、作業員の衛生教育や衛生管理のルール策定が含まれます。
- 検査および審査の受け入れ: 営業許可の申請後、保健所などの関連機関からの検査や審査を受け入れます。これには、施設の構造や衛生管理の適切さの確認が含まれます。
- 必要な手続きの完了: 営業許可に必要な手続きや費用を完了し、保健所などの関連機関から営業許可を取得できます。
上記でネックとなるのは、製造施設の用意ではないでしょうか？こまかな箇所では水道蛇口が自動式かレバー式にする必要があったり各工程の作業区画など、専用の製造部屋を用意する必要があります。
設備に数百万？自己負担を安くする方法
当初の報道では設備を用意するのに数百万から規模によっては数千万と報道されていたようですが、正確に必要な設備を調べ、実際に業者へ見積りすると数十万で収まる場合も多々あるようです。また使える補助金もあるようで、自己負担１5万ぐらいに収まった方もいるようです。
不足している設備を正確に調べて補助金を使う事により思ったより安くできそうですね。
漬物が製造規制になった理由
今回の改正された食品衛生法は２０２１年６月に施行されています。内容としては漬物を製造して販売する場合「営業許可」が必要となり、２０２１年５月末以前から製造している方は２０２４年５月３１日までに許可を取得する必要があります。
改正された理由は、北海道にて食品会社が製造した漬物を食べた子供を含む８人が食中毒（O-157)によて死亡した事がきっかけのようです。
今後について
漬物の製造・販売は食品衛生法の改正により許可制となり、漬物産地の農家や直売所が影響を受けています。そこには安全な食品を提供する必要があり、その為に衛生基準への適合や設備投資が求められる一方で、田舎のおばあちゃんの味や伝統的な手作り漬物文化の維持や地域経済の活性化に向けた取り組みなど規制と並行して促進する働きも必要と感じます。
